レッスン 216分

期待値(EV)

期待値(EV)は、同じ判断を何度も繰り返したときに、そのアクションが平均してどれだけ得をするか、または損をするかを表します。EVは今の判断時点から比べます。すでにポットに入れたチップは戻らないため、ここでフォールドしても追加で失うチップはなく、フォールドのEVは0です。

ポットオッズエクイティフォールドコールレイズ
このレッスンでできるようになること
  • 勝ちと負けの分岐を確率で加重する。
  • 最終ポットと純利益を混在させず一貫して計算する。
  • 1回のランアウトと判断の質を分ける。

良い判断と今回の結果を分ける

EVは、その選択を繰り返したときの平均結果

今回は勝つか負けるかのどちらかです。EVは、同じ状況を何度も繰り返したときに、その選択が平均でどれだけ増減するかを測ります。

まずはコイン投げで考える

公平なコイン投げのEVは0

表なら100チップ勝ち、裏なら100チップ負けます。どちらも50%なので、長期的には勝ちと負けが打ち消し合い、1回あたりのEVは0です。しかし、表で勝つ額や裏で失う額が変われば、このゲームのEVも変わります。下のスライダーで試してみましょう。

50% × +100
+50
50% × −100
−50
1回あたりの期待値0 chips

(50% × +100) + (50% × −100) = 0

損益分岐:長期平均では増えも減りもしない

EVは保証ではない

プラスEVでも、短期的には負けることがある

公平なコインで、表なら120チップ勝ち、裏なら100チップ負けるゲームをプレイするとします。プレイする選択のEVは1回あたり+10チップです。それでも、裏が何回も続けて出ることはあり、その間は負けます。

TTTT−400

このように、短期の結果が長期平均から上下にぶれることをバリアンス(分散)と呼びます。EVは判断の長期的な価値を表しますが、今回の結果を約束するものではありません。

ポーカーにつなげる

エクイティは同じでも、EVは価格で変わる

リバーのポットは100 BBで、Heroは相手のベットにコールするかフォールドします。Heroは30%の確率で勝ち、70%の確率で負けるとします。相手のベットが大きくなっても、この30%のエクイティは変わりません。しかし、コールして負けたときに失う額は大きくなります。

Heroのエクイティ30%

スライダーを動かしても変わらない

30%Heroが勝つ+150 BB

既存の100 BBポットと相手のベットを獲得

70%Heroが負ける−50 BB

コールするために追加したチップを失う

2つの結果を確率で重み付け30% × (+150 BB) + 70% × (−50 BB) = +10.0 BB

EVは+150でも−50でもありません。それぞれの結果に起きる確率を掛けて足した加重平均です。

必要エクイティ25.0%

コール額 ÷ コール後の最終ポット

コールのEV+10.0 BB

30%は必要な25%を上回るため、コールはプラスEV

Heroは30%しか勝たず、70%は負けます。ベットが大きくなると、追加されたチップを30%の勝ちで獲得しますが、70%の負けでは同じ額を支払います。そのため、このコールのEVは下がります。これがポットオッズを使う理由です。エクイティと必要エクイティを比べなければ、マイナスEVのコールをしたり、プラスEVのコールをフォールドしたりする可能性があります。

リバー。ポット75。相手が25ベット。Heroは25でコールするか、フォールドできます。

対 相手のベットレンジ
フォールド0

判断時点から追加で失うチップはありません。すでにポットへ入れたチップは戻りません。

コール+10

Heroは相手のレンジに対して28%のエクイティがあるとします。

28%

勝つ

純利益 +100

0.28 × 100 = +28
72%

負ける

コール分 −25

0.72 × −25 = −18
EV

平均する

+28 − 18

= +10

結果を試す

プラスEVでも今回は負けることがある

どちらを選んでも、コールのEVは+10のままです。1回の結果は判断の質を変えません。

覚えておくこと

プラスEVのコールでも今回のハンドは負けます。結果の良し悪しと判断の良し悪しは別です。

やってみよう

2問の確認テストです。準備ができたら始めてください。

要点

期待値は各結果とその確率を組み合わせ、現在の判断点からの平均結果を測ります。