期待値(EV)
期待値(EV)は、同じ判断を何度も繰り返したときに、そのアクションが平均してどれだけ得をするか、または損をするかを表します。EVは今の判断時点から比べます。すでにポットに入れたチップは戻らないため、ここでフォールドしても追加で失うチップはなく、フォールドのEVは0です。
このレッスンでできるようになること
- 勝ちと負けの分岐を確率で加重する。
- 最終ポットと純利益を混在させず一貫して計算する。
- 1回のランアウトと判断の質を分ける。
良い判断と今回の結果を分ける
EVは、その選択を繰り返したときの平均結果
今回は勝つか負けるかのどちらかです。EVは、同じ状況を何度も繰り返したときに、その選択が平均でどれだけ増減するかを測ります。
まずはコイン投げで考える
公平なコイン投げのEVは0
表なら100チップ勝ち、裏なら100チップ負けます。どちらも50%なので、長期的には勝ちと負けが打ち消し合い、1回あたりのEVは0です。しかし、表で勝つ額や裏で失う額が変われば、このゲームのEVも変わります。下のスライダーで試してみましょう。
(50% × +100) + (50% × −100) = 0
損益分岐:長期平均では増えも減りもしないEVは保証ではない
プラスEVでも、短期的には負けることがある
公平なコインで、表なら120チップ勝ち、裏なら100チップ負けるゲームをプレイするとします。プレイする選択のEVは1回あたり+10チップです。それでも、裏が何回も続けて出ることはあり、その間は負けます。
このように、短期の結果が長期平均から上下にぶれることをバリアンス(分散)と呼びます。EVは判断の長期的な価値を表しますが、今回の結果を約束するものではありません。
ポーカーにつなげる
エクイティは同じでも、EVは価格で変わる
リバーのポットは100 BBで、Heroは相手のベットにコールするかフォールドします。Heroは30%の確率で勝ち、70%の確率で負けるとします。相手のベットが大きくなっても、この30%のエクイティは変わりません。しかし、コールして負けたときに失う額は大きくなります。
スライダーを動かしても変わらない
既存の100 BBポットと相手のベットを獲得
コールするために追加したチップを失う
EVは+150でも−50でもありません。それぞれの結果に起きる確率を掛けて足した加重平均です。
コール額 ÷ コール後の最終ポット
30%は必要な25%を上回るため、コールはプラスEV
Heroは30%しか勝たず、70%は負けます。ベットが大きくなると、追加されたチップを30%の勝ちで獲得しますが、70%の負けでは同じ額を支払います。そのため、このコールのEVは下がります。これがポットオッズを使う理由です。エクイティと必要エクイティを比べなければ、マイナスEVのコールをしたり、プラスEVのコールをフォールドしたりする可能性があります。
リバー。ポット75。相手が25ベット。Heroは25でコールするか、フォールドできます。
判断時点から追加で失うチップはありません。すでにポットへ入れたチップは戻りません。
Heroは相手のレンジに対して28%のエクイティがあるとします。
勝つ
純利益 +100
0.28 × 100 = +28負ける
コール分 −25
0.72 × −25 = −18平均する
+28 − 18
= +10結果を試す
プラスEVでも今回は負けることがある
どちらを選んでも、コールのEVは+10のままです。1回の結果は判断の質を変えません。
覚えておくこと
プラスEVのコールでも今回のハンドは負けます。結果の良し悪しと判断の良し悪しは別です。
やってみよう
2問の確認テストです。準備ができたら始めてください。
要点
期待値は各結果とその確率を組み合わせ、現在の判断点からの平均結果を測ります。
